サージとは
地質学用語に火砕サージというのがあり、火山噴火の時に非常に危険な現象として知られているが、氷河の世界にもサージがあるとは知らなかった。
Surge of Variegated Glacier 1982-1983
Mt Rainier Glacier Surge
14次隊同期の成瀬さんから無償で送って頂いた新本を読んでいて始めて知りました。
成瀬廉二「南極と氷河の旅-元南極観測夏隊長がつづる氷の大地の知られざる真実」より
氷床の縁辺部で氷の流れが特に速い部分は氷流と呼ばれる。
西南極氷床がロス海に流れ込む氷流A,B,Cでは、1970~1980年代に地上と航空機により詳細な総合的観測が行われた。<中略>
氷流Aでは年間8cmの割合で氷が薄くなっており、氷流Bでは挙動はもっと複雑で、流域全体の平均としては年間12cmの氷厚減少だが、氷流Bの上流域では年間1mの氷厚増加を示している地帯もあった。
これはサージ的ふるまいであると示唆されたが、確かにサージであるとは断定されていない(サージとは、ある期間氷河の流動速度が通常の数十倍に著しく上昇する現象のこと)。<中略>
かって、ウィルソン(1964)が、南極氷床のサージによる氷面積の拡大-アルベド上昇-日射吸収量減少-寒冷化、というサージによる氷期起因説を提唱したが、南極氷床全域で過去に大規模なサージが起こったか、また将来起こりうるかについては今のところ解明されていない問題である。
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ネット調べると、普通に知られている言葉のようです
例えば
また科学者らは、氷河サージという現象についても言及しています。
この現象は、氷河の真下にある融けた水が、氷河の接地部分を滑りやすくして、そのため氷河が流れて前進して行くと考えられています。
これは、氷の容積が増えて氷河が前進することとは違います。
「急速な氷河サージ・タイプの膨張は、1985年以来、少なくとも17の氷河に起きており、2000年からは少なくとも8つの氷河に(カラコルム山脈では)起きています。」とHewitt博士は言います。
BaltoroとBiafoの間に、Panmah氷河という氷河があります。
なんと、ここはサージ氷河だらけでした。
成瀬さんが代表のNPOのHPに氷河・雪氷圏辞典があり、その中ではこう書かれています
数ヶ月から1年程度の期間にわたって、氷河の流動速度が著しく上昇する現象。
流動速度は通常の数10倍に増加し、氷河の末端が数100mから数kmにわたって大きく前進することも多い。
サージとは、大波とか、波のように押し寄せることであり、氷河で見られるサージは、正確には氷河サージ(glacier surge)とすべきであるが、誤解を招く恐れのない場合は単にサージという。
サージが観測される氷河は限られており、スバールバル諸島やアラスカの氷河に多く見られるが、それ以外の地域(例えばアイスランド、コーカサス、パミールなど)にも広く存在する。
ある程度の周期性を持ってサージを起こす氷河が多く、その周期は一般的に数十年程度である。
スバールバルの氷河サージの期間はアラスカに比べて長く、静穏期が30-150年、活動期が2-10年である。
静穏期には氷河は後退を続ける。
サージのメカニズムについては諸説あり、依然論争中だが、底面水圧上昇や堆積物の変形による底面流動が大きな役割を果たしていると考えられる。
サージの原因として気候変動は無関係という考えが主流であるが、氷河の質量収支変動の結果がサージの引き金になる、という研究例もある。
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ちなみに火砕サージは地学辞典でこう書かれています
pyroclastic surge
固体と気体が混合して地表に沿って乱流状態で流れ拡がる現象。
ブラストとも。
固体粒子の濃度は低い。
堆積物は多数のラミナから構成され、地表の起伏に沿って低所に厚く積もる。
それぞれのラミナは薄くデューン構造と正級化層理を示すことが多い。
その成因によって火砕流の発生に伴う高温のグランドサージおよびアッシュクラウドサージ、マグマ水蒸気爆発に伴う低温のベースサじギがある。
火山体の崩壊による岩屑なだれによっても発生することがある。
破壊力が強く危険な噴火現象。
厚さは数十メートルに達する場合もあると、某現場でつい最近教えて貰った。
Surge of Variegated Glacier 1982-1983
Mt Rainier Glacier Surge
14次隊同期の成瀬さんから無償で送って頂いた新本を読んでいて始めて知りました。
成瀬廉二「南極と氷河の旅-元南極観測夏隊長がつづる氷の大地の知られざる真実」より
氷床の縁辺部で氷の流れが特に速い部分は氷流と呼ばれる。
西南極氷床がロス海に流れ込む氷流A,B,Cでは、1970~1980年代に地上と航空機により詳細な総合的観測が行われた。<中略>
氷流Aでは年間8cmの割合で氷が薄くなっており、氷流Bでは挙動はもっと複雑で、流域全体の平均としては年間12cmの氷厚減少だが、氷流Bの上流域では年間1mの氷厚増加を示している地帯もあった。
これはサージ的ふるまいであると示唆されたが、確かにサージであるとは断定されていない(サージとは、ある期間氷河の流動速度が通常の数十倍に著しく上昇する現象のこと)。<中略>
かって、ウィルソン(1964)が、南極氷床のサージによる氷面積の拡大-アルベド上昇-日射吸収量減少-寒冷化、というサージによる氷期起因説を提唱したが、南極氷床全域で過去に大規模なサージが起こったか、また将来起こりうるかについては今のところ解明されていない問題である。
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ネット調べると、普通に知られている言葉のようです
例えば
また科学者らは、氷河サージという現象についても言及しています。
この現象は、氷河の真下にある融けた水が、氷河の接地部分を滑りやすくして、そのため氷河が流れて前進して行くと考えられています。
これは、氷の容積が増えて氷河が前進することとは違います。
「急速な氷河サージ・タイプの膨張は、1985年以来、少なくとも17の氷河に起きており、2000年からは少なくとも8つの氷河に(カラコルム山脈では)起きています。」とHewitt博士は言います。
BaltoroとBiafoの間に、Panmah氷河という氷河があります。
なんと、ここはサージ氷河だらけでした。
成瀬さんが代表のNPOのHPに氷河・雪氷圏辞典があり、その中ではこう書かれています
数ヶ月から1年程度の期間にわたって、氷河の流動速度が著しく上昇する現象。
流動速度は通常の数10倍に増加し、氷河の末端が数100mから数kmにわたって大きく前進することも多い。
サージとは、大波とか、波のように押し寄せることであり、氷河で見られるサージは、正確には氷河サージ(glacier surge)とすべきであるが、誤解を招く恐れのない場合は単にサージという。
サージが観測される氷河は限られており、スバールバル諸島やアラスカの氷河に多く見られるが、それ以外の地域(例えばアイスランド、コーカサス、パミールなど)にも広く存在する。
ある程度の周期性を持ってサージを起こす氷河が多く、その周期は一般的に数十年程度である。
スバールバルの氷河サージの期間はアラスカに比べて長く、静穏期が30-150年、活動期が2-10年である。
静穏期には氷河は後退を続ける。
サージのメカニズムについては諸説あり、依然論争中だが、底面水圧上昇や堆積物の変形による底面流動が大きな役割を果たしていると考えられる。
サージの原因として気候変動は無関係という考えが主流であるが、氷河の質量収支変動の結果がサージの引き金になる、という研究例もある。
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ちなみに火砕サージは地学辞典でこう書かれています
pyroclastic surge
固体と気体が混合して地表に沿って乱流状態で流れ拡がる現象。
ブラストとも。
固体粒子の濃度は低い。
堆積物は多数のラミナから構成され、地表の起伏に沿って低所に厚く積もる。
それぞれのラミナは薄くデューン構造と正級化層理を示すことが多い。
その成因によって火砕流の発生に伴う高温のグランドサージおよびアッシュクラウドサージ、マグマ水蒸気爆発に伴う低温のベースサじギがある。
火山体の崩壊による岩屑なだれによっても発生することがある。
破壊力が強く危険な噴火現象。
厚さは数十メートルに達する場合もあると、某現場でつい最近教えて貰った。


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