明治にも整形手術があった

明治の終わりの頃に、菅野須賀子が整形手術をしたことをテレビで流していたらしいが、有名な話のようですね。
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こんな文もあります

「下戸の寒村氏は、ひどく生真面目で誠実なところがあるのがすぐわかった。
菅野須賀子についても、何もかくしたりつくろったりする点はなかった。
京都の荒神口の女の下宿で、はじめて結ばれたとき、
「どちらが先に手をだしたんですか」
と私がぶしつけな質問をすると
「そりゃ、須賀子ですよ。真夏で蚊帳を吊ってあって、彼女は洗い髪に浴衣の寝間着姿だった。
蚊帳の裾を持ち上げて早く入れと僕を誘ったんです」
生真面目な口調でにこりともせず言うので、エロチックな感じはしない。
須賀子が隆鼻術をしたことを私が調べていて、それにいつ気づいたかと問うと、
「千葉の監獄へ、彼女が面会に来たとき、鼻の様子が変わっていてすぐ気がつきました。
大体、盤台面でしたからね。赤旗事件のどさくさの時、彼女も捕まって、警察で巡査に、
「何だ鼻ぺちゃのくせに生意気な」
といわれて、かっとなって手術したといってました。
これは、あとで枯川さんから聞いた話です。
ぼくは幸徳秋水を絶対許しません。
何しろ、こっちは監獄にいて、戦いようもない状態の時、部下の女房を盗むというのは卑劣極まりない所行です。
それに、二人が大逆事件で捕らえられていたとき、秋水は別れた妻に手紙を出して復縁を望んでいるんですよ。
それを知って、須賀子は獄中から秋水に離縁状をたたきつけています。
須賀子の純情と情熱を踏みにじった態度は男らしくない。
あれでは須賀子が余りに可哀想です」
 目に涙を浮かべて、裏切った妻に同情する。
私はその日の取材で、須賀子を書いた「遠い声」の構想がほとんどまとまってしまった。
 
瀬戸内寂聴「奇縁まんだら」より

この数ページ前にこんな文がある
これは誰でしょう?

生涯誰よりも尊敬愛慕していた泉鏡花と吉原へ登楼したときの記事が雑誌に出ている。
何でも聞けば話してくださったが、その話の中で、筆おろしは十九歳の時、家にいたいい加減年増の醜い女中に犯されて、それが情けなくて、自分の純潔も人生もこれでお終いになったと、本気で自殺しようと思い、感電自殺を図ったが、失敗したなど淡々とおっしゃる。
「情けなくて泣いていると、そいつが泣くほどのことじゃありませんよと言いやがる。口惜しくってね」
赤坂の売れっ妓の名妓を落籍せて、晩年を過ごした鎌倉の別宅で、女の亡くなるまで添い遂げたお良さんという愛人がいた。
本宅の正妻、子ども達の想いも斟酌しない。
全く気ままな自由人だった。

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