石川啄木の飛行機

[ニッポンの小説3」の「風立ちぬ」を「読む」の章より
冒頭近く、少年である「二郎」は、夢の中で飛行機を疾走させる。遙か空高く、風を切って疾駆する飛行機を、「二郎」少年は、見つめる。そのシーンを見ていて、僕の唇から、このことばが、不意に洩れ出た。

<見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを。

給仕づとめの少年が
たまに非番の日曜日、
肺病やみの母親とたつた二人の家にゐて、
ひとりせつせとリイダアの獨學をする眼の疲れ……

見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを。>

石川啄木が、この傑作「飛行機」を書上げたのは、1911年6月27日だ。1903年生れの堀越二郎は8歳。もしかしたら、啄木の詩の中で飛行機を見つめていた少年は、「二郎」だったのかもしれない。
----------------------
この詩は信長貴富作曲の男声合唱組曲 「見よ、かの蒼空に」の中に「少年」というタイトルでおさめれてていて、昨年の定演で歌った曲の一つ。映画「風立ちぬ」は見ていないので、こんな山田風太郎ばりの感想を持つかどうかわからないな。youtubeは明大グリークラブのもの。

この記事へのコメント