『週刊読書人』の「年末回顧鼎談」

(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教には)重要な共通性があります。それは「自分たちの生活形式が神の意志を裏切っていないかどうか」を再帰的に観察する「心の習慣」です。日本人は、絶対神がないかわりに八百万の神、分かりやすくいえば妖怪たちに囲まれています。でも妖怪は、環境が変わると種類が変わる。<中略>アニミズム的感受性は生活形式の同一性を支える眼差しを与えません。かって日本には鎮守の森の観念がありました。沖縄でも森を失ったところから御獄が神降ろしに使えなくなってうち捨てられます。なのに「森を守れ」という規範が生まれない。同じことですが、日本には共同体同調規範があっても、共同体保全規範がありません。
宮台真司・刈部直・渡辺靖 著「民主主義は不可能なのか?-コモンセンスが崩壊した世界で」2019年6月 より。minキャプチャ.PNGほぼ400ページの大著で、読み応え大ありでした。わずか10年足らずの間に、これまでだましだましでやってきたことが、むき出しになり、パンドラの匣があいてしまったため、もう後戻りできなくなってしまった。世界中で中間層がいなくなり、共通項が使えなくなり、理性より感情で左右される世界が出現した。対策はいくつか示されているけれど、短期的な処方箋はなさそうだ。
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現代の三賢人が語りつくした「10(平成後期10年間)+1(10年後の未来に向けて)」の全記録――
世界は、社会は、人びとの心はどう変わったのか?
『週刊読書人』に2009年から2018年まで掲載された「年末回顧鼎談」に、〈「あとがき」にかえて〉と題した語りおろし(4万字)を合せて、11本の鼎談を全収録。各ページには、テーマを理解するための手引きとして、詳細な註を付す(作成=綿野恵太)。

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