人類が生延びたのは、二足歩行と高い体温調節能力のおかげ

四足歩行の動物の体内換気は一完歩(四肢のどれかが着地してから、次にその肢が着地するまで)ごとに1回の呼吸に限られる。背と腹の間の内臓が胸腔をリズミカルに伸縮させるとともに胸骨と胸腔が前肢への衝撃を吸収しなければならないからだ。
一方、人の呼吸の頻度は、一歩の頻度に対して自在に変えることができる。
要するに、四足歩行では最適なスピードが構造的に決められているのに対して、人は様々なスピードで走ることができる。

人の体温調節能力は他の動物に比べて並外れていて、極めて高い発汗率によって支えられている。発汗率を熱損失に換算すれば550-625ワットとなり、非常にきつい運動中でも十分に体温を調節できる。さらに、水分補給量がすくなくても、一時的な脱水は数時間後に埋め合せることができる。一方、ほとんどの動物は運動による体温上昇を下げる能力が弱く、長時間の運動ができない。

この能力を持った人類は走ることで、動物をヘトヘトにさせるまで追いかけられる昼行性で高体温の捕食者になれた。
後期更新世の大型動物(体重50kg以上)が比較的急激に消滅したのは、人類のこの狩猟能力が原因と考えられている。
バーツラフ・シュミル「エネルギーの人類史」2019年 より。ene.PNG

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