「不許可写真」

草森紳一「不許可写真」(2008年)文春新書 は膨大な戦時中の写真を閲覧して作った作品。
「戦争は、所詮、殺戮合戦である。兵器は殺人のためにあり、惨劇は大前提である。死体写真は論外の「不許可」となるのは、綺麗な戦争というものはないからである。にもかかわらず、「不許可」にして、あくまで死者なきが如く綺麗事に見せるのが、戦争宣伝である。戦場における日常光景ともいえる死者の姿を撮った写真は、戦意喪失、厭戦反戦気分を煽るものとして「不許可」となった。」
「アメリカの従軍カメラマンは、敵味方なく戦死体を撮影する。発表の実態は不明だが、味方の戦死者の屍体も、適切に使用されるなら、時に戦意昂揚に役立つと考えるのがアメリカである。それとてむごい話だが、戦争の屍体写真の「価値」を認めている。日本の従軍カメラマンは、味方の屍体を撮らない。国民性ともいえるが、なべて国民性とは、病理である。今日とて、タブーである。変死体(三島由紀夫の首はマスコミのタブー破り)は官憲によって撮影されるが、公開はされない。近衛文麿の自殺写真は、GHQの作意の発表だろう。」
草森さんは同年、4万冊の蔵書に囲まれてなくなった。収入の大半は本代に消え、本代の借金が残されたとか。

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