文学のふるさと

そもそも童話が子供のための話とされるのは、まだ実社会に馴化されきっていない者に、いわば世界の原理を模型として伝える機能があるからで、それは数学のように法則は示しても対他的交渉のバランスとか塩梅、斟酌、駆引き等の、場に合わせた現実的配慮を教えるものではない。だからこそそこには他者の「思い」に敏感に反応せよという圧力がない。公理のように無情である。足穂が童話として残した、世界が無情な脅威だけでできている様相を、坂口安吾に倣って「文学のふるさと」と呼びたいと思う。
高原英理「月光果樹園」2008年 より。gec.PNG

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