「されく魂」より

のさりとは天の恵みである。不運を幸運と読み替える。そういう豪儀な心の持ち主が水俣にはいた。 それを思い出して嫁の栄子は、「これがなぁ」、一番むずかしか。恨み返すなちゅうことが」と言って涙ぐんだ。 しかし、長い戦いの果てに彼女は、「このきつか躰で、人を恨めばさらにきつか。恨んで恨んで恨み死にするより、許そうち思う。チッソも許す。あそこ…
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