世界は不平等に出来ている

「オトナのための脳科学 最終回 池谷裕二 中村うさぎ」より

池谷:そうそう、不平等を証明するおもしろい実験があるんですよ。
百人にそれぞれ百円ずつ配ります。
無作為に二人選んで、さいころを振って貰います。
さいの目の出方によって、敗者は勝者に十円を渡さなければなりません。
すると持ち金は90円と110円に分かれます。
このトレードを百回、千回と繰り返していくと、ごく一部の大金持ちとその他大勢の貧乏人に分かれてしまうのです。

中村:最初の所持金は同じで、ルールも平等なのに、大きな格差が生まれちゃうんだ。
現実の人間社会そのままじゃん。

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池谷:以外に思われるかもしれませんが、この不平等なシステムは脳の作動に安定性をもたらします。
さらに省エネも実現するのです。
「脳は外の臓器に比べて多くのエネルギーを消費する」と言われます。
確かにそうなのですが、効率自体は悪くない。
一部のシナプスが優先して働くお蔭で脳はコンピュータの何十分の一のエネルギーで駆動します。
下っ端が不平不満を口にしないお蔭で、脳は安定を保てるのです

中村:働き蜂もいれば、怠け者の蜂もいる。
蜂の世界って不思議なことに、怠け者と働き者の数が一定に保たれているっていうよね。

池谷:いわゆる「パレート則」ですね。
組織内でよく働く人と怠ける人の割合はおよそニッパチ(2:8)の比率になるという経験則ですね。



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