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シンガポール人のアイデンティティ

シンガポールのディック・リーは中国人でありながらマンダリン(北京官話)をしゃべれないマレー化した中国人。不思議に混ざり合った文化的帰属の意識を、彼は英語でこんな風に歌う。 伝統と国際社会 僕のオリエンタル・ハートから 湧き上がるフィーリングを 僕はいったいどう受け止めたらいいのか 東洋人のプライドを守るのか? それともそ…
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景教の石碑

781年建立の石碑は長く地中に埋もれていたが、明末に発見された。大秦景教流行中国碑と呼ばれている。材質は黒い石灰岩で碑高2.76メートル、基底部幅約1メートル、同厚さ27センチメートル。この石碑にまつわる奇譚を含めた12編を読む。中野美代子さんの「ザナドゥーへの道」(2009年)は大航海時代の冒険譚の傑作で、よほどの博識でないとこんな話…
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白い葉裏が風を受けて翻っていく

はあほんとうに、あれを見ていますと、私はむかし木であったというふうにやっぱり思ったりいたします(笑)。私来ましたっていう感じで。どう言えばいいのか、友達よりももっと近い感じです。海から来ましたって軀がいうんですよ。あの海からずっと上がって山に、私、海から来ましたという感じです。島尾ミホ・石牟礼道子対談「ヤポネシアの海から」2003より。…
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『週刊読書人』の「年末回顧鼎談」

(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教には)重要な共通性があります。それは「自分たちの生活形式が神の意志を裏切っていないかどうか」を再帰的に観察する「心の習慣」です。日本人は、絶対神がないかわりに八百万の神、分かりやすくいえば妖怪たちに囲まれています。でも妖怪は、環境が変わると種類が変わる。<中略>アニミズム的感受性は生活形式の同一性を支え…
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春隣

だれかどこかで何かささやけり春隣これは「快楽としての読書」丸谷才一 2012 で紹介されている俳句です。冬隣はちあきなおみの曲で有名ですが、春隣はあまり知られていない。と思ったが「春隣」という歌もあるらしい。
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南相馬市小高区

健康で頑丈な肉体と変形してしまった強靱な精神は、家族の気持ちや誇りを踏みにじり、困惑に追い込んでいるなどとはこれっぽちも思わなくて、あるいは自分が一番賢いと信じ切って楽観的だったからこそ、身の回りの人に過酷の鞭を浴びせているとは気づかなかったに違いありません。 それとも、彼女は力まかせに混乱を生きるという術しか知らなかったのでしょ…
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奄美のコウマブリ

コウマブリは初めて知りました。人が死ぬ前には、その人の葬られるべき墓場所で、イケ(墓穴)を掘る音などがするのが聞こえる。これは普通人にも体験されることであるが、特に「コウマブリ」と称する霊能の発達した人には、葬式の行列の旗が見えたり、または、墓掘り人衆の姿まで見えると言われる。 ここで面白いのは「コウマブリ」という語である。平安時代に…
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霊的なものの切迫

暴力的なもの、攻撃的なものは、映画とか漫画でもあまり見ない方がいいって。僕たちは娯楽として消費しているつもりでいるけれど、そこで見た血なまぐさい映像は心のどこかに残る。荒々しい映像や心象に心は影響される。だから、ネガティブなものはできるだけいれない。不安とか、怒りとか、恐れとか、切迫してきたら、瞬間的にパッと切る。 土大夫を養うに…
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守礼之邦

「天地に燦たり」より。 この扁額は、ずっとここにあり続ける。 もし焼かれても砕かれても、また掲げられ、 訪う者を出迎え、この島が「守礼之邦」だと示し続ける。 きっとそうだと思った。 そうでないならそうあってほしいと心から願った。 首里城が焼けたあとで、この本を読んだからか、少し希望が湧いてきた。
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孤独な荒野のオオカミ

” 川村湊:津島さんは自分の先祖はオオカミだと思っていたのかもしれません。しかしそのオオカミもまた、チンギス・ハンのような蒼きオオカミ、格好いいオオカミではなくて、何かもうちょっとはずれたような、決して強いオオカミではない。孤独な荒野のオオカミ。そういうオオカミに対するトーテミズムのようなものが津島さんの文学の根にあるのではないかと思…
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すばらしい伝記「鶴見俊輔伝」

”「なんで、そんなに速く読めるんですか?」 と、隣の席にいた鶴見に訊いたことがある。 「スキーみたいなものじゃないかな」目を上げて、ひと呼吸置き、彼は答える。「ゲレンデの上から見渡すと、雪原の全体の地形が目に入ってくるだろう?」 書かれていることが”地形”をなして見えるーーということらしいのだった。” ---------…
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出雲は面白そう

" 旧知の女性ピアニストは、ハンガリーのリスト音楽院に留学していたときの出来事を話してくれた。 「彼らは楽器を片手に、いつでも音楽遊びをしているような感じなんですよねえ」 「彼ら」とはかって「ジプシー」と呼ばれたロマ人のピアニストやバイオリニストたちのことだ。 「楽器を弾きながら、「ほら、今のフレーズのほうがモーツアルトよりずっと…
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わたしは何者?

”自分の親友が何者か(who)と考えるのは、突き詰めれば、親友たちがどんなふうか(how)と考えることではないかと私には思えるーどんなふうに微笑むか、どんなふうに話すか、どんなふうに笑うか、どんなふうに耳を傾けるか、どんなふうに傷つくか、どんなふうに心を分かち合うかなどと考えることだ。それぞれの友人の奥底にある本質は、数え切れないほどの…
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魔鬼城と呼ばれるヤルダン地形

”魔鬼城とは、風蝕土堆群を意味するヤルダン地形のなかでも、風蝕された土堆が高層ビルほどの高さで点在し、夜はその土堆群が風によって無気味なうなり声を発するため,あたかも魔鬼が住む城のようだとして恐れられているところである。 ジュンガル盆地には、このウルホのほかにも魔鬼城と称せられているところが二三あるし、天山より南の広大な塔里木盆地に…
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誰も時代の制約からは逃れられないが、事実は知りたい。

この本には知らなかったことがたくさん載っている。 ------------------------ "新渡戸(稲造)の他民族に対する軽蔑の眼差しは、台湾だけでなく、朝鮮とアイヌ民族に関する論説にも表われている。新渡戸は朝鮮を「枯死国」と称し、自力で民族を発展させることができず、日本の「世話」がなければ「消滅する運命」,「亡国」に至る…
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ビザールなエゾの地図

"日本の中央政権は、一千年以上にわたって、本州のすぐ北に見えるエゾが島をのぞこうともしなかった。<中略>もう一度あえていうが、津軽からすぐ目の前に見えるエゾ地の全体を探索しようとする人がわたしたちの先祖にいなかったのは、なぜだろうか。<中略>しかし、ともあれ日本人は、みずからの国土、およびみずからの周辺の土地について、他者に向けて発信す…
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「火の山-山猿記」

この小説は海外生活の長い人が書いた手記という形のためか、ふつうには使わないカタカナ英語がよく出てくる。インティマシ、フラジリティ、スティミュレイト、イクスカーション、タイムオブブリス、スタボーンなどなど。それで、普通の日本人ではないという雰囲気が出ている。 1998年の本だが、フラジリティという言葉はその2-3年前にでた「フラジャイル…
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「恋する原発」

東日本大震災の年に発表された小説。高橋源一郎の小説はわかりにくいが、これはスラスラ読める。ちょっと筒井康隆風。中に挿入される震災文学論もすばらしい。完全版「風の谷のナウシカ」があるとは知らなかった。----------------------------内容(「BOOK」データベースより) 震災の被災者支援チャリティーのためにアダルト…
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ニール・ヤング

-----伊藤さんは「魔法の鏡の中へ」のなかでスザンヌ・ヴェガ、ニール・ヤング、ポリスの歌詞を翻訳されています。実際にロックは聴かれるのでしょうか。 高校大学の頃はそればっかり。とくにニール・ヤングとジョニ・ミッチェルとルー・リードなしでは夜の目もあけませんでした。今はぜんぜん聴きません。 「前橋文学館特別企画展・第15回萩原朔…
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植物状態の患者とコミュニケーションを取る

最新の機械を使って、植物状態の患者を調べると、普通に生きている人と同じように外の状況を把握している。反応は出来ないが、語りかけや問いかけは理解できている。ということが判ってきているという衝撃的な本。こんな本を読むと、そういう患者に対する態度は一変するだろう。 「生存する意識――植物状態の患者と対話する」エイドリアン・オーウェン 20…
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日本版枯れ葉作戦とは何か--北海道に撒かれた枯れ葉剤

約30人が集り、ベトナムで使われた枯葉剤が日本製で、しかも日本でも大量に撒かれたり、埋められたりしていたという話を聞いた。初めて聞く話で、しかも札幌でも藻岩のスキー場周辺で1971年に撒かれたという。--------- レイチェル・カーソン北海道の会 第176回学習例会 9月26日(木)16:00~17:50 場所 北大・遠…
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i母の呪いはいずれ解けるよ

この人どの本を読んでも、前向きな人だと感じるなあ。  ”母はうるさかった。ほんとにうるさかった。あたしのやることなすことが気に入らず、こまごまと文句をつけ、干渉した。従わないとひっぱたかれた。不条理だった。どうしてこんなに自分のやり方を他人におしつけることができるかなあと、子ども心に思っていた。どうして娘といえども他人だとわかならいの…
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ここではないどこか

”ここではないどこかに、何かがある-----これが、私たちの精神的支えになっていることもあります。<中略> 「ここではないどこか」にある理想的の姿は、現実に生きている自分を照らす鏡のようなものと考えるといいのですが、それがすぐ実現できるとか、そうなるべきだと考えると、苦痛になったり、どうせダメだからと悲観的になってしまいます。求めてい…
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仕事の成果って、気にしてもしようがない

”内藤:私は美術をやっていて、こういう作品は残るけど、むしろ作品という形になったものよりもこれらをひとりで作っていた何年間かの時間のほうが自分という存在のよすがになるのかもしれない。 茂木:作品は人と共有できるけど、それを作っていた時間というのは他人と共有できないですもんね。そう思うと、なんとなく人はどう生きるべきかっていう誰もが…
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まれに思春期のない人もいるけれど、遅れてくる思春期は数倍たいへんかも

異国で思春期の娘と暮らす母親の奮闘記。思春期って対処法がなく、子も大変だけれど、親も大変だというのがよくわかる。危機的な状況も時期が過ぎるとなんとなく収まってしまうというのも摩訶不思議。---------- 伊藤ふきげん製作所 (新潮文庫)より ”以前、カウンセリングの先生が言いました。子供の「うつ」は、好きだったことに興味をなくす…
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反復の多い音楽は覚えやすい

"だいたい音楽は鳴ればすぐ消える音を聞く者に覚えさせつつ、脈絡をつけていこうとする面倒なもので、その覚えには反復による刷り込みが手っ取り早い。"「音楽放浪記世界之巻」より --------「ヘルシンキ大学の心理学者カルロス・ペレイラの研究チームが行った実験によると、好き嫌いを問わずよく知られている音楽を聞いている時、人々の脳は感情を司…
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体罰による身体能力操作の悪習は日露戦争から

「大東亜共栄圏とTPP 片山杜秀の本-7」より 一般的に体罰的なものというのは、日露戦争より前には見つけられない。でも、日露戦争からあとになってくると、だんだん一般化してくる傾向にありまして<中略>それはたまたまそうなったんじゃなくて、やはり国の、とくに軍の姿勢として、そういう方向が出てくるわけです。 これはスポ根もの「巨人の星」…
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新しい音や新しい言葉なんてどこにもない

”セロニアス・モンクは僕がもっとも敬愛するジャズ・ピアニストだが、「あなたの弾く音はどうしてそんなに特別な響き方をするのですか?}と質問されたとき、彼はピアノを指さしてこう答えた。 「新しい音(note)なんてどこにもない。鍵盤を見てみなさい。すべての音はそこに既に並んでいる。でも君がある音にしっかり意味をこめれば、それは違った響き方…
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饒舌体

「ラニーニャ」より ”するとそのうち、よいしょというたびに、口から息がすっと抜けていくことに気づいた。エクスヘイルって。えーと、日本語で何というのか、息を吐く。反対がインヘイル、息を入れる、息を吸う。 プリーズ、ってケヴィンがいいますから、よーしインヘイル、よーしインヘイルって、ケヴィンがときどきいいます。あたし筋肉が緊張して…
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石川啄木の飛行機

[ニッポンの小説3」の「風立ちぬ」を「読む」の章より 冒頭近く、少年である「二郎」は、夢の中で飛行機を疾走させる。遙か空高く、風を切って疾駆する飛行機を、「二郎」少年は、見つめる。そのシーンを見ていて、僕の唇から、このことばが、不意に洩れ出た。 <見よ、今日も、かの蒼空に 飛行機の高く飛べるを。 給仕づとめの少年が た…
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