テーマ:

聖なるズー

この本はちょうど1年前に出版され直後に予約したが、図書館の人気が高いのか、やっと手元に届いた。自然や動物との共生について、自分の偏見がガラガラと壊れる貴重な読書体験だった。開高健ノンフィクション賞作であるが、審査員の一人、田中優子さんとの対談の中で田中さんがこんなことを言っている。今、石牟礼道子論を書いているとして、そこで私が感じるのは…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「政治家の話し方」

側頭葉に損傷のある人々が、言語能力を失っているのに異常に多弁になるケースはよく見られます。そういう人たちは自分の発言を、以前より激しく判断しなくなっていることが多いです。我々はそれを”政治家の話し方(ポリティシャン・トーク)”と呼んでいます。たくさんの言葉を話していても、内容はないということです」ヘレン・トムスン「9つの脳の不思議な物語…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

自伝的小説

嵐山光三郎の自伝的青春小説「口笛の音が聴こえる」1985年。時代は1964~1969年の高度成長期。数百人の人物が実名で登場する。唐十郎、難波律郎、三島由紀夫、横尾忠則、土方巽、安西水丸、檀一雄などなど。オリンピックと全共闘で燃上がった狂騒の時代の雰囲気の描き方がうまい。「取調べを受けて寝たのが一時半。朝五時に起されて、同房の人に挨拶し…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

すごい記憶力

野坂昭如「新宿海溝」は若い頃の自伝的小説で、そのなかにこんな文章がある。 まだ平凡パンチのデスクだった後藤明生、澁澤龍彦の妹で、女性週刊誌の記事を書く澁澤佐知子の二人は、酔うと軍歌を唄った。二人とも、おそろしくその歌詞を諳んじていた、「軍歌は、1番や2番だけ唄っても、その神髄にふれたとはいえない、橘大佐なら最後まで、たとえ何時間かかろ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

知るとはいつも、思い出すこと

突然、ある出来事が人生の意味を説き明してくれる、そんな経験は誰にもあるだろう。そのとき、私たちが、「わかった」と過去形でいうのは、ずっと前からすでに、答えが自らの内にあったことにもまた、同時に気がつくからである。知るとはいつも、思い出すことであり、すでに知っていることの自覚にほかならない。若松英輔「不滅の哲学 池田晶子」より。おすすめ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

太鼓の音に足の合わぬ者をとがめるな。

太鼓の音に足の合わぬ者をとがめるな。その人は、別の太鼓に聞き入っているのかもしれない。 レイチェル・カーソン北海道の会 第183回学習会。10月22日。話題提供 近藤務代表 「レイチェル・カーソンから学ぶ~生物多様性と教育」の資料より。 もとはソローの「森の生活」にある一節を、かって鶴見俊輔が自分流に訳したものらしい。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ケプロン日誌

北海道開拓のグランドデザインを担当したケプロンの日記で、おやっと思ったこと。。 1・北大の前身の農学校は札幌ではなく、ケプロンが居た当時は七飯町に予定されていた。「敷地はすでに一部整地して柵が立っている。しかし現在のところ、仕事がこのまま進展するかどうかは疑問である。」--ガルトネル事件の影響だろうか。 2・「ナウマン伝」では、ケプ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

青山(せいざん)は墳墓の地

知らなかった。青は「青年」「青春」など、若く瑞々しい「生命」の発露を表す一方で、反転して「死」も表すのだという。青山とは人が死んで葬られる墳墓の地のことだ。 そして青い空や青い海原は、人間の「命」が還っていく所にもなる。村田喜代子「飛族」より。 「人間(じんかん)到る処青山(せいざん)あり」という慣用もある。世の中その気になれば何処…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

放射能測定マップ

山の手図書館の新着図書コーナーに「図説・17都県放射能測定マップ+読み解き集 2011年のあの時・いま・未来を知る」2018年 があった。ネットで調べると市内の図書館では10冊に増えている。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

分りやすいものには嘘がある

わかりにくいと怒る癖(に)、わかりやすいものに、人は魅力を感じない。それは、わかりやすいものには、どこかウソがあると、わかっているからである。だが、そのわかりやすいもので世の中を律したほうが、生きやすい。それが分別である。世の中は、この分別でまわっている。しかし分別はニセだから、迷いが生じたとき、人は苦しむ。草森紳一(「穴」を探る(荘子…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

樹霊のこと

本州の神木は、杉、楠が双璧で、銀杏がそれに次ぐ。いずれも樹齢千年をこえ、お化けとしかいいようのないものだが、北海道の神木は、もうひとつ迫力がない。地上にはじめて生育した樹木は、ハルニレだと神話ではされているが、アイヌ民族が北海道を独占していた時代はともかく、本州から移民してきた人々は、樹齢としてあがめなかったような気がしてならない。草森…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

レイチェル・カーソン北海道の会例会

コロナのため3月から中断していた例会を半年ぶりに再開した。 遠友学舎の定員は1/3に制限されているので、いつもの談話コーナーではなく、一番広い談話ラウンジを使用した。 話題提供は米道さん、タイトルは「崩壊学」を読む。 飲食は禁止。使用しないコーナーへの立入りは禁止。入館は直前まで不可と使用条件が厳しくなったが、再開できて良かった。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

毛沢東は書痴

死んでも勉強しなければならぬという毛沢東は、多読と熟読が常に並行している。その上、詩人のせいもあって暗唱能力が優れている。読書の巨人である。けっして書物にのみこまれない。現実への応用ということがつねに念頭にある。文革期の知識人狩りは、書物人間へのいらだちである。中国の伝統的な書物人間(文人官僚や学者)を退治しなければ新しい中国はありえな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

子曰く

世の中には人間がいるだけで、先生というものは存在しない。でも稽古場にいる時だけは、孔子の知恵に甘え、「先生がこう言った」で始る金言集を勝手に頭の中で編み続けた。多和田葉子著「尼僧とキューピッドの弓」より。不思議な言語感覚だ。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「赤星鉄馬 消えた富豪」

この本は赤星鉄馬の評伝です。ほとんどの人は世に知られず死んでいくが、この人はあえて目立たないように生きたようだ。明治15年に生れ、昭和26年に68歳で死去した。1代で巨万の富を築き上げた薩摩閥の武器商人の長男として生れ、アメリカの大学を卒業し、高額の資産を基に多くの事業を行った。ブラックバス、ゴルフクラブ、釣りの世界では有名だったらしい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「参院のドン」元労相の村上正邦さん死去、88歳

ちょうど今読んでいる菅野完著「日本会議の研究」にこの人の名前はよくでてくる。 みんな真剣に怒っていた。特に、大原さんは怒っていたね。椛島まで真剣に起っていた。あのときは、みんな真剣だった。もうどうも手がつけられないんで、「参院では可決させない」と約束して、その日は帰ってもらったんだ」 1995年のあの日、「参院のドン」と呼ばれた村上…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「ぼくが見つけたいじめを克服する方法」岩田健太郎

この本が出版された頃、この本の紹介がてら、若いときの著書のエピソードを先輩女医がSNSで書いたのを読んで、いつか読んでみたいと興味があった。若いときからコミュ障でいじめられっ子だったらしい。本の中では空気をあえて読まないフリをしていると書かれているが。岩田健太郎さんはすでに共著や翻訳も入れると70冊近くの本を出している多作の医師。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

[「雪の練習生」

ところがその同じナマケグマが二度目に顔を合せると厳しい顔で、「君は意味も無くその辺を歩き回ったり、ショーをやってみんなを喜ばしたりしている。そんな人生に意味はあるのか」とつっかかってきた。「そういうあなたは一体どうゆう有意義なことをして毎日を過しているんですか」と聞きかえしてやると、「怠けているのさ」という答えが返ってきた。「怠けるとい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「ナウマン伝」

昨年発行された「ナウマン伝」を紹介した。いろんな資料を追加して話しをしたら40分の予定時間をかなり超過してしまった。帰りに先輩から良かったと言われほっとした。 第148回 最終間氷期勉強会のお知らせ     日  時:2020年 8月 29日(土)、午後1時~5時  場  所:札幌市北区民センター(北25条西6丁目1番1号)…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

まぶたがピクピク動く

眼瞼(がんけん)けいれん というらしい。 「最近私は、薬物性眼瞼けいれんの予備軍ともいうべき症例を早期に発見するために「ベンゾジアゼビン眼症」という用語を提唱しています。この薬ではないかと自分で気付き、断薬したことで完全に改善した患者について前述しましたが、この例は、非常に早期に発見すればこの難病も改善させられる可能性を示しています。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「不許可写真」

草森紳一「不許可写真」(2008年)文春新書 は膨大な戦時中の写真を閲覧して作った作品。 「戦争は、所詮、殺戮合戦である。兵器は殺人のためにあり、惨劇は大前提である。死体写真は論外の「不許可」となるのは、綺麗な戦争というものはないからである。にもかかわらず、「不許可」にして、あくまで死者なきが如く綺麗事に見せるのが、戦争宣伝である。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「星夜航行」

上下2巻の分厚い本だ。主人公は架空の人物かと思って、読み終えたが、実在の人物らしい。森鴎外の短編小説「佐橋甚五郎」がその根拠らしい。家康のもとから姿を消した甚五郎が後年、朝鮮国からの使節団の一員として家康の前に出現する話。「星は雨や曇りの日には見えませんが、一定の軌道で動きます。人生には変転がありますが、どんな立場になっても心の指針がぶ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

記憶は誤りやすい

George Harrison - My Sweet Lord (Official Audio) The Chiffons - He´s So Fine オリヴァー・サックスの遺作「意識の川をゆく」の「記憶は誤りやすい」のなかで、「心や脳内には、私たちの思い出の真実を、というか少なくとも事実と一致する特徴を、保証するメカニズムはない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

人類が生延びたのは、二足歩行と高い体温調節能力のおかげ

四足歩行の動物の体内換気は一完歩(四肢のどれかが着地してから、次にその肢が着地するまで)ごとに1回の呼吸に限られる。背と腹の間の内臓が胸腔をリズミカルに伸縮させるとともに胸骨と胸腔が前肢への衝撃を吸収しなければならないからだ。 一方、人の呼吸の頻度は、一歩の頻度に対して自在に変えることができる。 要するに、四足歩行では最適なス…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

天界の葡萄とリンネソウ

今福龍太編「むかしの山旅」の大平晟著「ヌタプカムウシュペ山」1913年 を読む。大雪山はかってヌタプカムウシュペ山と言ったらしい。昔の文章は漢字が難しくて読むのに骨が折れるし、パソコンで一字一字入力するのに文語体はとても時間の掛る作業だ。当時の登山者は博物学を勉強しており、地形、地質、植物、動物について博識であったようだ。というか博識っ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「孤宿の人」

宮部みゆき「孤宿の人」を読む。孤宿って作者の造語らしい。最後にほろりとさせられた。あとがきでは「もともとこの作品の発想の素は、”妖怪”の異名で知られる幕末の幕臣鳥居耀蔵が、罪を受けて讃岐丸亀藩に長預となり、明治元年に大赦を受けるまで、そこで流人生活を送ったということにありました。」と書かれている。耀蔵は20年以上、丸亀藩に幽閉されている…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

「ナウマン伝」

矢島道子「地質学者ナウマン伝 フォッサマグナに挑んだお雇い外国人」2019を読む。ライマンが北海道の地質図を描き、ナウマンが東北~九州の地質図を作ったことくらいしか、ナウマンについては知らなかったが、この本はそのドイツ人ナウマンの詳細な伝記。20歳で大学を卒業し、21歳(明治8年)で来日。23歳で初代の東大教授となる。明治18年に日本…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

宝島

真藤順丈「宝島」を読む。Audibleは経験したことはないが15時間で読めるらしい。沖縄の方言が随所に出てくるが、東京生れとか。沖縄を舞台の小説は池上永一以来だけれど、作風はかなり違って、船戸与一に近い。英語のタイトルがHERO’s ISLANDとなっている。とにかく熱い小説で一気に読んだ。ウタキが隠し味になっているが、現実のウタキは人…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

デクノボー

今福龍太は知らない世界を紹介してくれるが、いつも難しい。「宮沢賢治 デクノボーの叡智」は表面的にはすんなり読めるが、文学的修辞の裏で主張したいことの本意が分らないので、何かもどかしい。すばらしくいい本であることは間違いないんだけれど。こんな文章がある。私は、賢治とともに、人間が「われわれ」の論理から脱して、愚者の共同体の本当の故郷がある…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

イザベラ・バードの通訳者イトウの物語

明治初期に日本の国内を旅行したイザベラ・バードは多くの国を旅行し、多くの本を書き、世界でも有名である。しかし、日本で通訳者として同行したイトウは長い間、その人物像は不明であったが最近は少し明らかになった。このイトウを主人公にした小説に中島京子「イトウの恋」2005年があるのを知り読んでみた。イトウの日記が見つかり、その経過と日記の内容の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more