つぎはぎだらけのケア

最初の対談で、個人の中に多様性があるのが大人といっているのが、うれしい。多重人格って言われても気にしない。
鷲田清一・内田樹「大人のいない国」2008年より。第5章 大人の作法(鷲田清一)
長く介護士をしている友人は、つぎはぎのパッチワークをもじって「パッチング・ケア」と言い、取り繕いや、すり抜けをもっと積極的に評価したほうがいいと言う。すきまやほつれがあっていい。一人でぜんぶ背負う、あるいは完璧なケアをめざしてミスがないか子細に点検するという、そんな脅迫的なケアではなく、もっと力を抜いた、偶然の訪れを待ちうけるような、つぎはぎだらけのケアであっていいというわけだ。
 そういえば、いい介護施設というのは、大声がしない。誰かを呼んだり、何かを指示したりする大きな声が聞こえない。そこには場面が煮詰まりだした時に限ってたまたま誰かが通りかかり、ふと場面が変わるといった僥倖のようなことがおこりやすいのだろう。
 そういう場をどのように作るかに腐心したほうがいい。
第6章 もっと矛盾と無秩序を(内田樹)
教育の目的は信じられているように、子供を邪悪なものから守るために成熟させることにあるのではない。子供が世界にとって邪悪なものにならないように成熟を強いることに存するのである。少なくとも、私たちの遠い祖先はそう考えた。そして、子供を確実なしかたで成熟の歴程に投じるためにさまざまの工夫をしたのである。「親族の基本構造」はその一つであるし、学校や技芸における師弟関係もその一つである。

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