[「菊慈童」

円地文子「菊慈童」1984年。古典文学に詳しい著者の78歳頃の作品。登場人物も70代や80代の人が多い。
人が“老いて生きる”とは何なのだろうか。養女夫婦に家を追い出され、若い男に情愛を傾け死んでいった八十四歳の田之内せき。菊水を飲み、八百年美童の姿を保ったという「菊慈童」を八十歳を過ぎた今、最後の力で演じようとしている能役者桜内遊仙。七十半ばの女流作家香月滋乃の眼に映る様々な“老い”の姿を通して、老年の内部に潜む妖しい妄執を描き、芸術と官能の深奥を探る。古典芸能に伝わるホモの世界を普通のことのように書いているのにビックリ。
「私たちは間違いなく、日本人だと思っているのに、何百年も昔には、中国や韓国、いや印度やペルシャから渡ってきた人々が、いつか日本の土壌に住み着いてずっと暮している・・・日本のような島国でさえそうなのだから、大陸は猶更でしょう。それでその国々で同化された芸能や美術が生れてくるなんて、まったく面白いことですね」

図書館が5月31日まで閉鎖を延期することを決めてしまったが、残る本は1冊になってしまった。

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