年長者のつとめ

内田樹「生きづらさについて考える」を読む。これはコロナの前に書かれた’エッセイのコンピレーション本’で、相変らずユニークな発想がてんこ盛りです。第4章「平成から令和へ生延びる私たちへ」のなかの「ニッポン「絶望列島」化---「平成」の次を読み解く」と、「再びアメリカに敗れた日本---「平成」を総括」がとてもユニークで、読んでいるうちにとても真っ当に想えてくる。これは手に取って読んでください。ここでは第1章のなかから気になった文章を紹介します。
人間が自分の不自由さに気づくのは、自分の想像を超えて自由に生きている人に出会ったときです。「なんだ。これくらいのことはしてもいいんだ」と知ったときに人間は解放される。僕があえて過激な発言をするのは、若い人に対して「これくらいのことはしゃべっても大丈夫」ということを伝えるためでもあるのです。先に地雷原を歩いて行く人が、歩いた道筋にフラグを立てておけば、「あそこまでは行ける」とわかるでしょう。そういうかたちでリスクを引き受けることが年長者のつとめだろうと思っています。
以前、精神科医の春日武彦先生とおしゃべりしていたときに、非常に難しい症例でも、「時間が経つと、思いがけない仕方で解決することがある」という話を伺った。患者を精神的に支配したり、追いつめていたりしていた身近な人がぽっくり死んだりすると、一気に症状が緩解することがあるのだそうである。 「だから、何もしないでぼおっと「何かが起きるのを」待っているというのも、ひとつの治療法、場合によってはきわめて有効な治療法なのです」という話を春日先生に聞いて、深く得心した覚えがある。
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